人を育てるためには、
まず、
「人が育った状態を明確にする」。
次に「そのように育てるノウハウを身につける」ことです。
あなたの会社にとって人が育った状態を一度考えてみてください。
いかがでしょうか。
このことについて、アントレプレナーセンターの福島正伸さんは次のよう語ります。
『自立型人材に育って欲しい。』
「いかなる問題や困難に対しても、
自らの限りなき能力と可能性を最大限に発揮することで、
夢や目標を達成することができる人」
と定義して、このような人材を「自立型人材」と呼んでいます。
その「自立型人材」には6つ特徴があります。
1.『何事もプラス受信をする。』
プラス受信とは物事を前向きに受け止めることで、
問題がおこってもそれをチャンスととらえて、
そこからノウハウを見出したり、次に活かそうと考えたりする。
2.『他人に期待せず、自分に期待をする。』
自分の可能性を信じて、できることから取り組んでいる。
3.『自分に負けず、高いモチベーションを維持している。』
もともと人はやる気がないのが普通です。
高いモチベーションを維持し続けるために、自分がやる気になる意識を習慣化しています。
4.『他人のせいにせず、自分自身に原因を見出している。』
他人のせいにすることは、その瞬間だけは楽になりますが、
それは、問題の解決を放棄しているだけです。
根本的な原因を自分に見出すことによって、自分の出番を作っています。
5.『他人の評価に振り回されず、常に成長し続ける。』
成果が出ていても「まだまだ未熟」と、さらに高いレベルを目指している。
6.『他人に貢献している。』
自分と他人の関係はまさに鏡のようなもので、
他人にしたことが、自分に返ってくるだけということを知っているので、
常にどうすれば他人に貢献できるかを考えて行動しています。
『プラス受信』の仕方は、
「すべての出来事は、前向きに考えればチャンスとなり、
後ろ向きに考えればピンチとなる。
問題が起きたことが問題ではなく、どう考えたか、が、本当の問題である。」
ということを理解し、何か問題が起こったと感じた時に
次のように自分自身に問いかける習慣を身につけることです。
「この出来事は、何のチャンスだろう?」
「この出来事は、自分に何を教えようとしているのだろう?」
「この出来事から、さらに自分が成長することはできないだろうか?」
自立型人材はこのプラス受信をした後、
その問題が起こった原因を自分自身に見出します。
そして、その対応策を考えるわけですが、原因は自分にあるのですから、
その対応手段は自分でできることばかりです。
原因が他人にあるのならば、他人を変えなければなりません。
「過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる。」
言い尽くされた言葉ですが、まさにその通りです。
この「問題」→「プラス受信」→「自己責任」→「手段の選択」の
考え方の流れを『自立型問題解決法』と言います。
では、このような自立型人材を育成するためには、どうすればいいのでしょうか。
自立型人材の育成方法を「メンタリング」といいます。
メンタリングには、次の3つの段階があります。
第一段階は「見本になる」こと。
つまり、相手を自立型人材に育てたいのであれば、
自分がまず自立型人材になることです。
第二段階は「信頼する」こと。
信頼関係がなければ、
どんなアドバイスや提案も受け入れてもらうことはできません。
信頼関係を作るには、
まずこちらから先に相手を信頼しなければなりません。
第三段階は、「支援する」こと。
支援とは、相手を楽にするのではなく、
やる気にさせるきっかけをつくることです。
そのポイントは、相手のレベルに合わせて
成功体験を積ませるサポートを続けることです。
このように考えて行動すれば、人は必ず成長します。
「そんな精神論で事業が成り立つと思っているのですか?」と聞いて来られる方には、
「スポーツと同様、事業にも心技体が必要だと思っています。」とお答えします。
『理想を持たなきゃだめだ』と子供に言ったら、子供が一生懸命考えて自分の理想を言ってきた。
その時に『そんな夢みたいなことを考えていないで宿題しなさい。』と言うような親にはなりたくない。
さあ、まずは、自分が自立型人材になる。
私がこの社会保険労務士として、
いろんな立場の方のお手伝いをさせていただいていますが、
「人を育てる」「人が育つ」の考え方の根幹がここにあります。